開発秘話
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女性へのAED使用率を向上させたい!
AEDが使用された場合の救命率は53.2%と高く、日本国内には65万台ものAEDが設置されています。しかし、「AED大国」と呼ばれる日本において、AEDの使用率は約4%と低く、特に女性への使用率はさらに低いと言われています。

女性へのAED使用率低下の背景
女性へのAED使用率が低い背景には、救命処置における肌への接触や露出への抵抗感が挙げられます。心停止傷病者の救命には迅速なAEDの使用が不可欠ですが、特に女性に対しては、胸部へのパッド装着や衣服の切開などに躊躇が生じ、処置の遅れや見送りに繋がる可能性があります。 近年では、女性を救助しようとした男性が、意図せずわいせつ行為とみなされ訴訟に発展する事例も報道されており、善意による救命行為が法的リスクを伴う可能性も、ためらいを生む要因の一つと考えられます。 これらの心理的、社会的な要因が複合的に作用し、女性へのAED使用率の低迷を招いていると考えられます。一刻を争う救命の現場において、性別に関わらず誰もが躊躇なくAEDを使用できる環境整備が急務と言えるでしょう。

この現状を憂慮した公益財団法人 日本AED財団 学生チームに所属する医療系大学生の団体が、「助けられる命を守りたい」という強い思いと、「助ける側の助けたいという思いも守りたい」という一心で立ち上がりました。専門家の監修のもと、救命処置を施す際に体を簡単に覆うことができるシート「まもるまる」を考案しました。
